ピッチャーのフィールディングについて~とても重要な能力の1つです~

マエダユウジ
元オリックスバファローズの選手で2009年~2015年まで在籍し、1軍通算130イニングを投げ防御率は2.98。
現在は100名規模の野球スクールの代表とネット野球塾「ベースボールアカデミーLOS」の代表を務めております、前田祐二です。

【実績】
・2017年~プロ指導者となり述べ1000名以上を個別指導
・セレクション(試験)がある強豪ボーイズリーグに多数輩出
・補欠から4番
・補欠からレギュラー 多数
・1年で球速10キロ以上UP 多数
・ホームラン量産 多数
・打率2割以上UP 多数

M・シキさん
ピッチャーやるんやけど、どうしてもフィールディングが上手くいかんねん。
どう動けばいいかわからんくなるし。
バント処理も苦手やわあ。

こんな悩み持ってるピッチャーって多いですよね。

実はフィールディングが苦じゃなくなるとピッチングに好影響を与えます。

なぜなら、自分のところに飛んできてもアウト増えるの確定するだけだし、バント処理の場面などであたふたしなくて済むのでピッチングにだけ集中することができるからです。

この記事では、フィールディングについてサクっとまとめたものをわかりやすく整理してお届けします。

読み終えると、頭の中が整理されて、どこに飛んだらどういう動きをするのか?が理解できるので、それを頭の中でイメージし続けることで守備に対する苦手意識がなくなります。

ピッチャーのフィールディングについて大切なこと4選

いきなり結論から書いていきますね。

  1. バント処理はボールに対して正面に入り、投げ終わりは体を回しきる
  2. 先読みしておくことで焦りが消える
  3. 打球の強さで送球する場所を判断する
  4. ファーストのベースカバーの入り方を覚える(ランナーなし・ランナー1塁)

実際ピッチャー自身の守備能力はかなり試合に左右します。

「とりあえず抑えたらいいんでしょ?」ってな具合にフィールディングを軽視している人は考えを改めたほうがいいでしょう。

バント処理

まず1つめ「バント処理」についてですが、①ボールに対して正面に入る②投げ終わりは体を回しきる、この2つにはしっかりとした理由があります。

まず①ですが、正面に入ることで後逸するリスクが減らせます。ゆえにたとえファンブルしても打者走者を1塁でアウトにすることができます。

次に②ですが、体が回りきっていない状態で投げると暴投するリスクが高まることになりますので、しっかり体はまわしきることが重要です。

余談ですが、海外選手は①はしませんw

回転する手間をなくすために半身でとってそのまま投げますが、やっぱりエラーは多いですね。

先読みしておく

これは言い換えると「こういう打球がきたら2塁に投げて、こういうのなら1塁やな。ライナーやったら2塁、バントやったらキャッチャーの指示に従う」とかを投球前に考えておくということです。

こうやって考えておかないとワンテンポ動作が遅れるのでオールセーフになってしまう危険があります。

自分を助けるためにも、これは徹底しておくことをおススメしますね。

打球の強さで判断

これは①アウト、ランナー1塁・3塁とかの場面で大切なピッチャースキルです。

じゃあ正解を言う前にトレーニングとしてちょっと考えてもらいますね。

1秒で答えてくださいね。例えば、この場面(1アウト、1・3塁)で、速いピッチャーゴロが飛んできました。あなたはどこに投げますか??

正解はセカンドに投げてゲッツー狙いです。

※実際はイニングや得点差、ベンチの指示なんかも加味されるので100%これってわけではありませんが、ほぼほぼこれだと思います。

逆にボテボテのゴロならホームですね。

このように打球の強さでどこに投げるのかは変わってきますが、その前にしっかりとセカンド・ショートと確認作業をするようにしておきましょうね。

「強いのきたらそっちに投げるけど、どっちがベースカバーに入る?」

チームでの意思疎通も大切です。

ファーストのベースカバーへの入り方

簡単に言葉でまとめると次の通りです。

  1. ランナーなしの場面でのファーストカバーは、一塁線のほうに向かって走ってからラインと平行に走りベースの端を踏む
  2. ランナー1塁の場面では、ファーストベースに向かって全力で直線に走っていく

1つずつ理由を説明します。

まず①ですが、1塁線と平行に走ってベースを踏むことでケガのリスクを減らす狙いがあります。

ベースカバーを直線でしてしまうとランナーと交錯してしまうからですね。

次に②ですが、このときはファーストベースに足をかけて止まるので交錯する心配がありません。

さらにゲッツーをとりにいくので、セカンドからの返球は最速で来るわけですから、まわりこんで走ってしまうと間に合いません。

だから【全力】で【一直線】にファーストベースまで走ることが重要です。

実際のピッチャーの動きを動画で紹介

これは僕が現役の頃のキャンプでの投内連携ですが、1プレーずつランナーの想定が違うので分かりやすいかと思います。このなかで選手がどういう動きをしているかに注目してみてください。

一般のファンのかたがとったものなのでブレがあります。

JunJapan さんYouTubeより

ランナー別フィールディング

ここからはランナー別にフィールディングの動きを簡単にですが説明します。

ランナー1塁

ピッチャーに飛んできて、尚且つ、送球する場所を考えないといけない打球は次の3つです。

  1. バント
  2. ピッチャーゴロ
  3. ライナー

それではランナー1塁のときのことを考えていきます。

バントは基本的にファーストでアウトにするのでOKですが、どんなときでも全力でマウンドを降りて常にセカンドを狙いにいきましょう。

※ショーフライのときは、わざとショートバウンドで捕ってセカンド送球すると、打者が走っていない時が多いのでゲッツーをとれたりしますが、変に弾いたりするとオールセーフになるので自信のない人は普通にノーバンでアウト1ついただきましょう。

②のピッチャーゴロは、速いゴロor普通のゴロのときはセカンド送球で、ボテボテのときはファースト送球です。

③のライナーのときは、しっかり捕球してからファーストになげましょう。

ランナー1・2塁

このときも打球は①バント②ピッチャーゴロ③ライナーですね。

それでは1つずつみていきましょう。

ランナー1・2塁のときのバント処理

まず基本的にはバントは打者をアウトにすることを考えてください。

ですが終盤の僅差のときにかぎり、サード送球で勝負をすることになります。

勝負するときは確実にサインプレーになりますから、自分の出せる最速を出してサード送球してください。このプレーは1年に数回あるかどうかですが、これをアウトにできるかどうかで勝敗は左右されます。

だからこそ日頃の練習からミスすると負けるという極限のプレッシャーを自分にかけてください。

ランナー1・2塁のときのピッチャーゴロ

これは基本的にセカンドゲッツー狙いです。

ただしボテボテのゴロの場合はファーストに投げましょう。

ランナー1・2塁のときのライナー

ピッチャーライナーのときはセカンドでアウトにできればいいですが、捕った後は瞬間に回転しセカンドに投げるようにして、ランナーがでていなければすぐにファーストに投げることを考えましょう。

ランナー2塁

①バント②ピッチャーゴロ③ライナーで考えます。

ランナー2塁でのバント処理

ランナーセカンドのときはファーストが前に出てくるので、ピッチャーはマウンドから少しサード方向に降りていきましょう。

基本的に間に合わない時が多いですが、ランナーが見えないのでキャッチャーからの指示に従いましょう。

このとき気を付けてほしいことは、サードに投げようとしたけど間に合わないからファーストに投げるってなったときは、ステップしないと暴投することが多いです。だから打者が俊足でなければ確実にステップしてアウトにしにいきましょう。

ランナー2塁でのピッチャーゴロ

ゴロの場合、目でセカンドランナーを牽制するのが通常の動きです。

しかしこのときランナーに気がいきすぎて、完全捕球する前にセカンドを見てしまいファンブルするってことになるのが多いです。

だから、まずはしっかり捕球することを心がけてください。

ランナー2塁でのライナー

これもまずは捕球することを考えて、セカンドにランナーがいるってことだけ覚えていれば大丈夫です。

ランナー1・3塁

ここでも1つずつ説明していきます。

ランナー1・3塁でのバント(スクイズ)

1・3塁でのバントはスクイズになります。

バッターがスクイズの構えをとったらキャッチャー方向に猛ダッシュです。

できれば、スクイズと分かった段階が早ければストライクゾーンから外すようにすればOKです。このときは事前にキャッチャーと打ち合わせしておくことをおススメします。

ランナー1・3塁でのピッチャーゴロ

これはさきほどの「打球の強さで判断」のところで説明したので割愛します。

ランナー1・3塁でのライナー

このときは捕球した後、3塁に投げることを前提に動きましょう。

その後は味方からの指示の声に反応して動くって感じです。

ピッチャーのフィールディングは動きが色々あるから日頃から整理しておく

このようにピッチャーのフィールディングは場面によってかなり多種多様な動きをしますので、しっかり頭に叩き込んでおくことが重要です。

逆にいえば、大舞台などで、反射的に素早く正解を導き出せるフィールディングを披露できれば、それだけで周りからの評価はうなぎのぼりですよ!

また記事中に出てきたTwitterは僕が毎日更新している「野球指導系Twitter」になります。

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