こんにちは!
現在100名規模の野球スクールとオンラインスクールの前田祐二式ベースボールアカデミー「LOS」の代表をしております元オリックスバファローズ投手の前田祐二です。
現役の野球プロコーチとして基本的には小中学生を指導しており、SNSでは高校生、大学生、社会人、独立リーグの選手へアドバイスをしております。
毎年300人以上を個別指導しており、県選抜・市選抜・地区選抜選手を多数輩出し、セレクションのある全国常連の強豪ボーイズリーグへも多数入団が決まっています。
このような指導者として1000人以上見てきた経験と、プロ野球選手として培った経験をもとに、本日はピッチャーの投球フォーム、特に肘の使い方について書いていきます。
ピッチャーの投球フォーム~間違いやすい肘の使い方~
それではいつもどおり結論からお伝えします。
- テイクバックのときの肘下がりは問題ない
- 肘が上がってこないのは足から広背筋、肩甲骨の連動の悪さが原因
この2つを深くみていこうと思います。
テイクバック時の肘下がりについて
先日こんなツイートをしました。
このツイートで言っているとおり、テイクバック時(左の写真)は肘は下がっていても問題ありません。
あと有名どころでいうと菊池雄星選手なんかも肘下がりテイクバックです。
じゃあ逆に肘があがってきているテイクバックはどんな感じかというと、グラブ手と投球肘を結んだ形が「W」になっているような投げ方です。
実はこの投げ方、最近ではあまり評判がよろしくありません(^^;)
インバーテッドWのフォームでは肘に負担がかなりかかるような投げ方になってしまい、内側側副靭帯損傷や断裂の危険が高いとされる研究結果がでているみたいです。
こういうテイクバックの取り方は、実際にこの後の動作で肘を無理に前方に引っ張ってきてしまうため、肘の内側(トントンしたらビーンって電気が走るところ)に過度の負担がかかります。
そのために靭帯にストレスがかかり損傷してしまいます。
負担がないのは肘下がり型といえるでしょう。
ただし、負担がないのとエグイ球を投げられるのとは別物です(^^;)
現にインバーテッドW型の投手は速球投手に多い印象があります。
日本だと大谷翔平選手やダルビッシュ有選手、海外だとスティーブン・ストラスバーグ選手が当てはまります。
全員100マイル(160Km/h)級の投手ですね。
ただやはり全員が内側側副靭帯再建手術(トミージョン手術)を受けています。
じゃあどうすればいいのか?については最後にお伝えします。
肘があがってこないのは足から広背筋、肩甲骨にかけての連動の悪さが原因
これについても先日こんなツイートをしました。
このツイートにもあるように、肘が下がっている原因はテイクバック云々ではなく、肩甲骨との連動の悪さが原因です。
身体の使い方さえ直せば自然とリリースポイントで肘はあがってきます。
ではどんな練習がいいんでしょうか??
肩甲骨を上手く使うための練習方法
最初に言っておくと「誰にでもできます」!!
この方法を試してください。
- グローブをつける手で投球腕の肩甲骨を持ちます
- 投げかたは同じで、軸足に体重を乗せてテイクバックしてきます
- 肘が外旋するのと同時くらいで、支持している手を前方に引っ張ります
- しっかり腕を振り切りフィニッシュの形を取ります
- これを繰り返し行い肩甲骨の動きを感覚的に覚えてください
これをやった選手(小中学生)の感想です。
- なんか投げやすくなった
- 指にめっちゃかかる
できるようになれば、肩甲骨が腕を持ってきてくれるので投げやすく感じるはずです。
是非継続して練習してみてください(^^)/
足から肩甲骨にかけての連動のための練習方法
これは生徒にもやらせていますが、小学生には少し難しいかもしれません。
中学生からは結構理解してできる感じです。
僕じゃないですが、吉永慎一朗さん(@yoshinaga_3710)のツイートを引用させてもらいます。
やり投げの槍を使った身体の連動の練習ですね。
イメージとしては、足のほうから腕に順番に力を伝えていく感じです。
この動きはオリックスの山本由伸投手が練習に取り入れていますね。
チャレンジしてみてください(^^)/
結局どうすればいいの?
僕が思うに、身体の使い方さえマスターできれば肩・肘に負担がかかりにくいのでどの投げ方でもいいんじゃないかと感じます。
しかしながら、最新の研究結果を無視するのもどうかと思います(^^;)
結論としてテイクバックは、無理に肘を引き上げる動作をやめて、身体の連動性をなめらかにし、リリース時に肘が上がっていればOKってことです。
まずは肩甲骨の使い方と、身体の連動性をあげることを第一に考えてください。
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