こんにちは!
現役野球プロコーチで元オリックスバファローズ投手の前田祐二です。
今回は元プロの経験と現在毎年300人を個別指導している指導者としての経験をもとに、ピッチャーに必要なスキルを解説していきます。
野球:ピッチャーで失敗しないためのスキル5選
では結論から言ってしまいましょう。
- 自分の癖を知り矯正する
- セットポジション(走者あり場面)の重要性を認識している
- 不利なカウントでの球種
- 内角
- 配球パターン
5選が何かわかったところで1つずつ詳しく見ていきましょう。
①自分の癖を知り矯正する
まず認識として、ピッチャーは自分では気づかないような特定の癖を持っている、ということを理解してください。
「俺にはそんなんないよ」
と思っていても必ず1つは存在しますので、それを知り矯正することで無敵に近づくことができるでしょう。
例えば、球種。
何か特定の変化球を投げるときに出る癖のことで、この癖を見破られると❶打たれる確率が上がる❷きわどいコースに投げてもボールを見極められてしまう、といったようなことが起こってしまいます。
どんな癖があるかというと、特定の変化球を投げる際にグローブの位置が高かったり、セットに入る動きが違ったり、握っている手の手首の角度が違うためグラブから手首が少し見えていたり、といったような癖です。
次に牽制。
牽制の癖がバレると容易に盗塁され得点圏までタダで進まれる危険があります。
牽制の癖は左ピッチャーに多く見られる傾向があり、例えば、首振りの回数や順番が同じとかセットに入ってからの時間が同じとかですね。
最後にマウンドでの仕草。
動揺している、イライラしているというのが相手にバレ、さらに動揺を誘うような作戦を立てられたりしますので、なるべくポーカーフェイスを貫きましょう。
上記のことから、自分の癖を知り矯正するというのはピッチャーに必要不可欠なスキルと言えるでしょう。
②セットポジションの重要性を認識している
ピッチャーは投球練習をするとき、大抵ランナーがいないときの投げ方でやってる選手が多く見受けられますが、実は試合でランナーがいない場合よりもランナーを背負って投げている場面のほうが多いことを大前提として知っておく必要があります。
ランナーがいるときに必要なピッチャーの仕事は下記の4つです。
- サインプレーの理解
- バントシフトなどの守備力
- 牽制
- クイック
サインプレーはランナーがでたときに発動するものなので当たり前といっちゃ当たり前なんですが、サインプレーが出たときに一発で決められるように常に頭に入れとかないといけません。
そのサインプレーにも関わってきますが、守備力に関しても同じで、バントされたときにどのようにマウンドを降りてどこに投げるのかを一瞬で考え行動に移すことや、ピッチャーゴロ、ライナーが飛んできたときの素早い行動も大切です。
牽制にかんしては、多様なパターンの確立や素早いターン及び送球の精度が必要になります。
最後のクイックは、投球動作として動き出してから1.2秒以内にミットにボールが収まっているというのが良いピッチャーの条件の1つで、そのためには、動き出してからリリースするまでの時間を短くする技術が求められます。
このように、ただ投げるだけではなく、ランナーを背負ってからの技術が重要であることが理解できたと思います。
③不利なカウントでの球種
3-0や3-1、2-0のようなピッチャー不利カウントでストレートしか投げれないというのはピッチャーとしては致命傷となります。
なぜなら、バッターはそのカウントではストレートしか待っていないからです。
ですが3-0や3-1、2-0で変化球でストライクを取れるとピッチャー不利から一気にピッチャー有利カウントに変わります。
バッターの心理的に「迷い」が生じるからです。
『次も変化球化もしれない』
こう思わせたらストレートを投げても打ち損じてくれる確率が上がります。
なので投球練習のときに、同じ変化球を10球1セットでストライクが8球とれるように練習をするといいでしょう。
④内角
インコースと緩い変化球は実は紙一重のボールです。
なぜならインコースを狙って投げたボールが少しでも真ん中にはいってしまうと、それはただのホームランボールに変わるからです。
インコースを投げるには、練習のときから相当な意識で取り組まないと実践では使い物になりません。
技術と勇気が必要なボールです。
これもさきほどと同じで、10球を1セットとして、インコースに8球以上投げられるように練習するといいでしょう。
⑤配球パターン
僕は以前こんなことを言いました。
これがまさに配球パターンのことなんですが、簡単に言うと「高確率でアウトを取れる、または、自信を持って投げられる鉄板の組み合わせをもつこと」で、これがあるとピンチの時に抑えられる確率が上がりますし、また相手にばれたとしても裏をかいて攻めることができます。
もし配球パターンがない場合、ピンチになるとあたふたするか苦し紛れにおもいっきりストレートを投げるしかなくなり1球に泣くことにつながってしまいます。
これに関しては配球について「note」に詳しく書いているので読んでいただけたらと思います。
まとめ
今回は野球における「ピッチャーとして失敗しないためのスキル5選」をご紹介しましたが、もう一度まとめておきます。
- 自分の癖を知り矯正する
- セットポジション(走者あり場面)の重要性を認識している
- 不利なカウントでの球種
- 内角
- 配球パターン
このスキルを磨いてピッチャーとして上手くなってもらえれば幸いです。
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