2009年 ドラフト4位(~2015)
1軍通算 7勝7敗4ホールド
2017年より福岡県全域で5校の野球スクールを運営
生徒数100名(※2022年3月31日にオーナー退任)
教え子実績
・体験入学翌日 ヒット、ホームラン多数報告あり
・1年で球速15~20キロUP
・強豪校に進学 多数
etc
活動一覧
・前田ベースボールアカデミー(MBA)
・SNS発信(Twitter・Facebookなど)
・専用アプリを使った動画分析指導
・パーソナルレッスン
・オンラインスカウト広場「BASEBALL DREAMS」
ぶっちゃけリアルな話聞かせてくれへん?
プロ野球選手が引退した後のセカンドキャリアついてはよくネットニュースやテレビ番組などで特集されますが現実はどうなんでしょう?
僕自身が感じた元プロ野球選手のリアルなセカンドキャリアについて書かせていただきます。
これは最近取材を受けたときにも一部言ったことで詳しくはその記事が出来上がったときに紹介しますが、ここでは個人的な観点から書いていきます。現役のプロ野球選手やこれからプロ野球選手を目指す人、またはその保護者さんに是非読んでほしいと思います。
「プロ野球選手になるのは難しいけど、なれたとしてもその先の将来が不安やから野球はやめて普通に就職します」
って考えている人にも役に立てると思いますよ。
プロ野球選手のセカンドキャリアについて
現役プロ野球選手やこれからプロ野球選手になろうと目指している人に伝えたいことは3つです。
- 現役中に5000万円を貯める
- 現在の食事管理、練習メニューなどを毎日メモする
- 引退後一般職に就職したときに、必ず気持ちが揺さぶられるときがある
これは僕自身が経験して感じたことです。
プロ野球選手の弊害
プロ野球という場所、特に1軍は非日常的な空間でメディアにも取り上げられるのでかなり「特殊」です。
1軍の試合は「スリル」が満点です。
僕の場合でいうとピッチャーをやっていたので、抑えればヒーロー・打たれればヴィラン(悪役)になります。
それだけじゃなく自分自身の感情も激しく揺れ動かされます。
数万人という観客の中で自分のすべてを相手打者にぶつけて「とるかとられるか」の真剣勝負をおこないますから、勝ったときの高揚感、負けたときの悔しさは【100かマイナス100か】ってほどになります。
その感情の揺れ動きが次の仕事にかなり影響することになります。
転職したときに感じたこと
僕自身は2009年ドラフトでオリックスバファローズに4位指名を受けてから2015年まで6年間在籍しました。
その間に1軍で61試合130イニングを投げ7勝7敗4ホールドの記録を残し、勝ち試合のほとんどにヒーローとしてお立ち台に上がらせていただきました。
しかしながら2015年に戦力外通告を受け、2016年より全国展開のハウスメーカーに営業として就職しました。
やっていくうちに徐々に、感情の高ぶりがないことに物足りなさを感じ「このままじゃダメだ」と、気分転換を兼ねて休日に野球のコーチのアルバイトを始めようと決めました。
そして縁と運が重なって野球スクール運営者になり、ハウスメーカーは丸1年で退職することになりました。
ネットニュースなんかでよくプロ野球選手が職を転々とするとか、噂で仕事を辞めたとか聞いていましたが、「なるほどな」と自分で体験してその理由がわかった気がします。
これは一般職で働いておられる方が見ると「面白くないのを我慢してみんな働いてるんや」とか一部の人に批判されそうですねw
ただ刺激の強さが違いすぎるんですよね。
セカンドキャリアのために準備すること
冒頭で話した3つのことが答えになりますが1つずつ説明していきます。
- 現役中に5000万円を貯める
- 現在の食事管理、練習メニューなどを毎日メモする
- 引退後一般職に就職したときに、必ず気持ちが揺さぶられるときがある
現役中に5000万円を貯める
プロ野球生活は一生の時間でいうと短い期間で、引退してからの時間のほうが長くなります。
だから辞めてから1~2年は、人との接し方、パソコンの使い方、経済や経営のことなど一般社会で1人立ちできるようなスキルを身に着ける時間を作るべきです。
5000万円あればその間の生活費は余裕でまかなえるし、スキル習得にかかる費用なんかも大丈夫です。
また引退後すぐに就職したとしても、気持ちが揺さぶられる日が来ると思うので、そのときに貯えがあれば起業したいとか自分で会社を作ったりフリーランスになったりもできます。
事前に準備しておけば何も恐れることはありません。
食事内容や練習メニューをメモる
これは「元プロ野球選手」という肩書を最大限活用することができる事前準備です。
僕みたいに野球スクールを運営したり野球塾を開いたりするときに、技術だけではなく更に付加価値をつけられることになります。
僕自身はメモをとっていなかったので、たぶん忘れている練習メニューもあるはずで、それは後悔しています。
高校野球や大学野球の指導者になりたい人も必ずと言ってもいいほど役に立つはずです。
自分自身のセカンドキャリアを助ける強力な武器になることは間違いありません。
気持ちの揺さぶりがあることを知っておく
途中でもお伝えしましたが、プロ野球生活から離れて別の仕事をしているとき、感情の高ぶりがなく物足りなく感じることが必ずあるはずです。
それは「そういうもん」だと知っておくことが大切です。
結婚をしている人なら「家族を養わないといけないのにこんな気持ちになってはダメだ」と自分を戒め、無理矢理に感情を殺す人もいるはずです。
そうなるとますます今の仕事がつらくなり、辞めたくなり、精神的に崩壊してしまいかねません。
だからまずは「気持ちが揺さぶられる時期が必ずくる」と知っておくことが大切で、プラスアルファで先ほどの「5000万円貯金」と「メモ」が重要になってきます。
いきなり決断はするな
かといって、「よし!感情が揺さぶられたから起業しよう!」は馬鹿野郎ですw
事前に準備や下調べ、起業後の収入と支出のバランスなどしっかり計算することをおススメします。
僕もハウスメーカーから今のスクール経営者になるまで3・4か月は下調べと収支の計算、経営の勉強を仕事の合間にやっていました。
そして「これなら大丈夫」となって話をいただいてから6か月後に始動しました。
まず野球しかやっていなかったということを理解したうえで、一般社会では無知で底辺だと思うことが大事です。
エクセルやワード、パワーポイント、メール文の書き方からクラウドまで、ありとあらゆる現代の便利機能の知識がないんですから勉強するのは当たり前で、他人よりも2倍3倍のスピードで理解することが求められるのも頭に入れておいてください。
プロ野球選手を目指すお子様を持つ保護者さんへ
よく戦力外通告を受けた選手たちの特集などをみて「アスリートの将来」に不安をもつ保護者さんも多いと思いますが、事前にこういう準備をしておけば、選手を引退した後でも生きていけます。
ただおそらくこういう疑問を抱く人がいると思います。
5000万円なんか貯められるの?
確かにずっと2軍で暮らしていれば5000万円はきついかもしれません。
ですが自分の人生のために死に物狂いで練習し結果を残さないと生きていけない世界なので、そこはその選手の頑張り次第です。
または契約金や毎月の貯金で資産運用するのもありだと思います。
金融の知識は高校や大学になってからでも身につけておくべきスキルなので早めに勉強させるのもありですね。
年俸が低い時にあほみたいに金を使って派手に遊ばなければ、たとえ2軍でも2000万円くらいは余裕で貯められます。
僕はその「あほ」でしたので2軍で終わっていたらほとんどお金はなかったでしょうw
下記にプロ1・2年目に僕が大きなお金を使ったことを書いておきますが、これはあくまで僕の話ですのですべてのプロ野球選手がこんな暮らしをしているわけではありません。
- 契約金で「1軍に上がった時まで付けない」と決めて買ったブラックダイヤモンドのネックレスとクロス
- 車
- 1年目のオフに大学の後輩たちと1週間以上飲み明かす
- 遠征にいくと必ず後輩をつれて飲みにでる
- 兄の結婚祝いで海外旅行プレゼント
などなどです。
こんな生活をしていても数百万は貯金があったので保護者さんは安心して大丈夫だと思います。
最後に
3つのことを中心に書いてきましたが、そんな書いてる張本人は5000万円も貯めてないしメモも残していないし気持ちの準備もしていませんでした。
これは僕が「こうだったらもっと楽だったな」と感じたことをシェアさせていただいています。
「セカンドキャリアが不安」という理由で就職を考えているなら、この記事を読んで事前準備をしてれば50%くらいは不安がなくなるので挑戦してほしいと思います。
それでは!
また記事中に出てきたTwitterは僕が毎日更新している「野球指導系Twitter」になります。
Twitterでは、「バッティング・ピッチング・栄養・メンタル・やる気を出す・少年野球」など野球に関連する情報を発信しておりますので、興味があればのぞいていただき、気に入ればフォローをお願いいたします。